新車に乗り換えたらなんかハンドルがフラついて安定しない。
新車だから軽いのかしら?
これ大丈夫なのかしら?
修理出してからなんかふらつくようになった…
なにかされたのだろうか?
これって大丈夫なのか?
漠然とそんな不安を抱えてる方が結構います。
ハンドルのふらつき症状
いつものように走るとハンドルが動いてしまいフラフラする。
常にハンドルを小刻みに動かして修正しながら走行しなければいけない状態。
乗れないことはないんだけど、なんか気になる。
一般的な自転車屋の回答
基本的にハンドルが軽いのは良い状態です。
空気を入れたから抵抗が少なくなってハンドルが軽くなることもありますが、軽いのは機械的には良いことなので問題ないというのが普通の自転車屋の見解でしょう。
ゴリラが言っている通りハンドルは重くもできますが、ベアリングに負荷をかけるので心配なのでお勧めしない。
けど心配ならやりましょうか?と言ってくる。
それしかお客さんを納得させる方法が無いと思っているから、それしか言わないのです。
もしくは、じゃあちょっとだけ締めておきましょうか?とヘッド玉押し調整を固めにしてもらって何となくOKかな?みたいな感じで言われる…
要するに自転車屋さんは乗り方のせいだと言いたい。
お客さんとしては軽いのが気になる。フラフラするのが気になる。
普通に乗っているだけなのにふらつくなんて…
本当に正常なんでしょうか?
そもそも、
ハンドルが軽いとは?
どんな状態が正常?
正常に組まれている自転車は、どんなにハンドルが軽くてもふらつきません。
ハンドルが軽くても、まっすぐ走ります。
※メチャクチャ低速ではふらつきます。
なぜって?
ジャイロ効果があるからです!
ジャイロ効果とは?
自転車の車輪が回転すればジャイロ効果が発生していてカンタンには倒れないように力が働いています。
どれだけハンドルが軽かろうが、自転車はまっすぐ進む
じゃあなぜ?ハンドルがふらついてしまうのか?
機械的に正常でジャイロ効果もあるのに何でふらつくのだろうか?
原因は車輪のセンターのズレ
※車輪がまっすぐじゃなくて斜めに取り付けられているから曲がっていく自然現象です。
は?センターのズレ?
車輪が傾いてるんだから、当然そっちに自転車も傾いていく、それを修正しようとしてハンドル操作が必要になる!
それだけの話。いや、とんでもない話。
車輪のセンターは合っていないと思え。
センターが出ていればどんなにハンドルが軽かろうが車輪は回転すればジャイロ効果でまっすぐ走ろうとするので肩の力ぬいてリラックスしてもまっすぐ走っていきます。
そもそも、
そんな大事な設定がズレているなんて思わない人がほとんどですが実際は新車でもズレまくってます。
センターズレとフロントフォーク曲がり、フレーム曲がりはベテランなら見ただけでわかります。これは場数がモノを言います。
そして、センターを確認しないで整備する自転車マンも居ます。
箱から出して組見立てる7分組み状態は車輪もこちらで取り付けるので問題ないのですが安い自転車などはセンターズレたまま納品されます。
センターがズレたまま気づかずに売ってしまうと、当然自転車は傾いている方向へ進もうとするのでお客さんはカウンターを当てながら前に進まないといけない状態になります。※カウンターとは操舵修正のこと、左に行ってるのを右にハンドル切ってまっすぐにする動作
車輪が斜めについてるから車輪がそっちに行こうとしてハンドル操作で戻してあげないとまっすぐ進まない状態がコレ。ハンドルが軽いとか関係ありません。
前輪のセンターを確認もしないで空気圧とか「こういうものです」とか言うのは恥ずかしいのでやめましょう。
車輪センターの確認方法
①まず目視
車体を前から座って見る。
タイヤとハンドルの下のフレームが一直線かを確認する。
②車輪とフロントフォークの間に指を入れて隙間を確認する。
これは慣れが必要。
片方の指に車輪が当たるようならズレてますね。
③ハンドルの軽さとかふらつきを言わずに、自転車屋にセンター出てるか見てもらう。
※普通の自転車屋さんなら秒でわかります。
え?センターってなんですか?的な回答なら店を出よう。
車輪が車体に対してまっすぐついてるかどうかの確認なので言ってしまえば誰にでもできます。
車輪のセンターを合わせる方法
作業は自己責任でやりましょう!そしてなるべくなら自転車屋に行って見てもらった方が確実です!
※車輪の固定ナットをゆるめる作業です。必ず左右交互に少しずつゆるめること!ナットが供回りしてハブ軸が緩むとその後の作業が格段にめんどくさくなります!
トルクレンチお持ちの方は24 N·mで締めましょう。
作業後は、試乗してハンドルのふらつきが解消されていれば完了です!
それでも解消されない場合に考えられること
これは荷物無い状態で走行すれば確認できます。
車輪がまっすぐ回転しないような振れ振れな状態だとまっすぐ進むのは困難。車輪を空転させて確認しましょう!きれいに横振れなく回転するか確認しましょう!
グワングワンしてたら自転車入院ですね。
新車では滅多にありませんが、ぶつかったとか事故った自転車はズレてることがあります。センターズレ同様、傾いている方向に自転車はズレていきます。
カゴの方が視界に入りやすいので、正面をカゴで判断してしまうとまっすぐ進めない場合もあり!
初歩の初歩でハンドルは車輪と直角が基本です。ずれてるとまっすぐ進みにくいです。
最後の2つは遠くを見ないで運転してる方に多いです。
全ての整備士、もとい自転車を販売する人間がセンターを気にするわけではありません。気にもしない、当然合っているものだと疑いもしないのが現状です。
自転車のフラつきは危険なので自転車に関わる者は真剣に向き合うべき
どうしてもお客さんの問題にしがちなこのハンドルふらつき問題ですが、フラつくということは危ない状況で運転してるので真剣に向き合う価値がある問題です。
整備士の皆さんは普段からセンターへの意識を高めましょう。自分が関わる納品自転車のセンターを全部見ましょう。もちろん後ろ車輪にもセンターは存在します。
あれ?誰のための記事だ?うちのスタッフか?
はい、ここまでの自転車のハンドルのふらつき原因でしたがいかがだったでしょうか?
結構悩んでる方多いんです。ハンドル部分の機械的に問題は無いと自転車屋で言われると、じゃあ、自分が悪いのか?と思ってしまう気持ちわかります。
不安ですよね?でも今ならわかりますよね?
あきらめずにセンター見てもらいましょう。
慣れてる整備士でも案外ハンドルの軽さやふらつきからセンターの問題を推測できない場合が多いです。
お年寄りが困ったこと言ってると思ってるのは間違いで、力まず乗ってるからこそわかってしまうこともあります。
若い方は感じないとかわからないまま乗ってる場合もあります。よくこれで平気だったね?なんてことも多々あり。
気にしすぎとかで見過ごさずに付き合うことで、こちらも成長できるのでお客さんの悩みは大事です。
以上、ハチワレサイクルでした!